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妖刀の謎
妖刀伝、とそのタイトルにもうたわれている妖刀。
物語の鍵となる 三振りの妖刀について分析してみよう。

妖刀の歴史
 天慶(てんぎょう)九年、西暦946年。飛騨の山中に落下したアレクサンダー彗星の 欠片から、刀匠頼正はまず一本の神剣を鍛えます。 のち、神剣に威を借りた朝廷のむやみな権力拡大を危惧し、頼正は一振の神剣を 三振りに鍛え直します。
 刀匠頼正は三人の息子にそれぞれ神剣を与え、方々へ落ち延びさせます。 長男頼朝は美濃国龍牙山へ逃れ葉ヶ塊の里を、次男頼光は加賀へ行き日向の里を、 三男頼忠は信濃国で香澄の里をひらきました。
 孫子の代へ移るに従って三つの隠れ里は疎遠になり、神剣はおのおのの里で、 「ご神刀」として大切に祀られ、ご神刀は「魔を断ち和をもたらす」と 言い伝えられるようになります。

妖刀の覚醒
 「覚醒」というのは、ただの刀ではない、特別な力を現しはじめることと定義します。 どうやら覚醒には二段階あるようです。
 第一段階は、妖魔を滅ぼす青い破魔の光をまとうこと。また、その使い手が 自由に破魔の光を発動できるようになること。
 第二段階は、破魔の光が刀からほとばしること。第一段階では、その光の効力は、 物理的に肉を切るなどしてダメージを与えた相手のみに限定されていましたが、 第二段階では、直接切られなくても、刀からほとばしる光にのみこまれただけで 妖魔を倒すことができるようになります。
 では、この前提をふまえて、本編中で綾之介たち三人の妖刀はいつ覚醒したのかを 振り返ってみましょう。

妖刀伝T 左近 第一段階 葉ヶ塊の里で、猿っぽい妖魔を「日向夢想流ツバクラメ」で倒したとき。
龍馬 第一段階 ガマガエルっぽい妖魔の眉間を突き刺したとき覚醒。
綾之介 第二段階 綾之介は、いきなり第二段階まで覚醒します。妖変した三枝陣内に向かっていったとき、 自分が吹っ飛ぶほど光が出ちゃいました。出すぎ。
妖刀伝U 龍馬 第二段階 妖変した機羅の真砂を佳代ごと突き刺したとき。(このときは、物理的に攻撃しています)
妖刀伝V 左近 第二段階 隠形の喜平次に脇腹を刺され、左近が倒れたとき。 とどめを刺そうとした喜平次をのみこんで消滅させました。

また、この妖刀の覚醒についての、登場人物の発言を紹介しておきます。
○良庵(Tのラスト)「ようやく、三刀が揃うたようじゃの」
解説:三振りの妖刀が集結したことにとどまらず、 それぞれの妖刀が第一段階の覚醒を示したことも言っていると思われます。
○喜平次(Vの中盤)「おぬしのその妖刀、光がくすんでおるわ」
解説:おそらく、左近の妖刀だけがまだ第二段階の覚醒を遂げていないことを 指摘しているのではないでしょうか。

妖刀それぞれ
綾之介の妖刀

香澄の妖刀の紋
綾之介の妖刀
 綾之介の妖刀は小太刀です。鋼の中央が一段へこんでいる刀身で、 鍔に近い部分の刃が尖っています。鞘は柄と同じ青色。
 これはただの刀として戦ったら、相当不利です。相手が太刀や槍だったら 簡単に間合いに入られてしまいます。自分の武器の届く範囲が狭いのは、 なんにつけても不利ですから、信長は6.4メートルという長さの槍を使って いました。その信長軍を相手に小太刀で戦うのは、妖刀でなかったらかなり 無謀な話です。
 武士の小太刀(脇差)というのは守り刀で、敵との斬り合いに使うのではなく お守りや自決・切腹のための刀でした。綾之介は忍者ですから、必ずしも 武士と用途が同じとは限りませんが、いずれにせよ小太刀はあまり実戦 向きの武器ではありません。妖刀としての力があればこその、 この小太刀なのではないでしょうか。
左近の妖刀

日向の妖刀の紋
左近の妖刀
 左近の妖刀は、太刀型です。くの字型に折れ曲がった面妖な刃ですが、 それでも鞘におさまるようにできているようです。
 鞘の色は赤、たぶん漆塗り。鞘もかなり頑強なようで、葉ヶ塊忍者に 襲撃されたとき、鞘で鋲を弾き返しています。 鍔は金色で、だいたい40゚-70゚-70゚くらいの二等辺三角形型。 忍び刀は、(忍び込む際の足掛かりとして)鍔に足をかけやすいよう 四角形をしているのが基本ですが、やはり妖刀は特殊なのですね。
 くの字型の刀身ですから、研いだり血を拭ったりするのは大変そうですが、 斬られた相手は傷口がご無体なことになるのでダメージ大きそうです。
龍馬の妖刀

葉ヶ塊の妖刀の紋
龍馬の妖刀
 龍馬の妖刀は、頭と柄じりに刃がある大槍です。
 頭のほうは、L字型の刃と両刃の槍を交差させて、金具で留めています。 ふつうに刺して傷口が二箇所できるので、ダメージは大きそうですが、 もしかして抜くのもひと苦労でしょうか。かといって振り回しても、 横方向に出てる刃が突き刺してしまうので、回しにくそうです。
 柄じりの刃で、夜叉の香我美を貫きました。